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II号戦車G型

1938年6月18日、兵器局第6課は、主として速度性能を改良することを目的とする、新型II号戦車の開発命令を発した。
車体についてはMAN社、上部構造物と砲塔についてはダイムラー・ベンツ社が担当し、試作が開始された。
この車体は、試作名称VK901、制式名称Pzkw.II n.A(II号戦車新型)またはII号戦車G型と呼ばれる。
試作車は、1939年の終わりに完成した。

車体構造は一般的なもので、I号戦車C型などと良く似たスタイルをしている。
車体前部にはハッチ類が無く、操縦手と無線手は戦闘室上面のハッチより車内に入る。
足周りについては、オーバーラップ式転輪が採用されていた。
装甲厚は、前面30mm、側、後面14.5mmであった。

エンジンには、I号戦車C型と同じマイバッハ社製のHL45 直列6気筒液冷ガソリン・エンジン(出力150hp)を搭載していたが、車重が9.2tに増加しているため、路上最大速度は50km/hに低下した。
速度性能は60km/hが要求されていたが、そのためには200hp級のエンジンが必要であった。
このため、後にエンジンはマイバッハ社製のHL66P 直列6気筒液冷ガソリン・エンジン(出力180hp)に換装された。

武装は、55口径2cm機関砲(EW141とKwK38の2説がある)と、7.92mm機関銃MG34が各1門である。
乗員は、操縦手、無線手、車長の3名である。
試作生産型75両の生産は1940年10月より開始され、全て完成したという説と、1941年4月から1942年2月までに12両のみが完成したという説がある。

II号戦車G型は、全く実戦には使用されなかったらしい。
G型用の砲塔27個が、固定築城施設の戦車砲トーチカとして流用されたということである。
また1942年6月に、30両のG型を装甲砲兵および戦車部隊用の偵察車両として改造する提案が、ダイムラー・ベンツ、ラインメタル、シュコダの3社に送られたという記録があるが、詳しいことは不明である。

<II号戦車G型>

全長:    4.24m
全幅:    2.38m
全高:    2.05m
全備重量: 10.5t
乗員:    3名
エンジン:  マイバッハHL66P 直列6気筒液冷ガソリン
最大出力: 180hp
最大速度: 60km/h
航続距離: 200km
武装:    55口径2cm機関砲EW141×1
        7.92mm機関銃MG34×1
装甲厚:   5〜30mm




























































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