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●IV号戦車F2型 IV号戦車F2型は、バルバロッサ作戦で出会ったT-34中戦車やKV-1重戦車といった強力なソ連戦車に対抗するため、F型に急ぎ、当時ドイツ軍の対戦車砲として生産が開始されていたPak40系列の、43口径7.5cm戦車砲KwK40を搭載したものである。 この決定は、1941年11月18日に出されたもので、当初は、次のG型から採用される予定であったが、1942年4月4日、ヒトラーは、できるだけ早くIV号戦車に長砲身砲を搭載することを命じた。 こうして直後の5月から、F2型への生産切り替えが図られたのである。 F2型は、1942年3月から7月にかけて175両生産され、さらに、F型から25両が改造されている。 急ぎ生産が切り替えられたことで、F2型は、主砲以外ではF型とほとんど変わる所は無い。 主砲の射程と弾道特性が変わったことで、照準装置に新型が採用されたことと、弾薬長が変わったために弾薬ラックが変更された程度で、これは、どちらも外形的には変わりは無い。 なお、弾薬搭載数は、弾薬が大型化したにも関わらず87発に増えている。 外形的に目に付く変更点は、戦闘室側面左側に、砲身が延長されたことで必要になったクリーニングロッドの延長パーツが取り付けられたのと、砲塔後部の雑具箱の左右中下端に、アンテナ絶縁用の木片が取り付けられるようになったことがある。 砲身下部のアンテナ除けは取り付けられたままであったが、一部ではさらに前方に、絶縁木片が延長して取り付けられている。 なお、生産途中から防御力向上のため、砲塔側面左右の視察口と砲塔前面右側の視察口が廃止されている。 主砲には、威力の増した後座長を減らすためにマズルブレーキが取り付けられていたが、当初のシングル・バッフル式から、すぐに、より効果の大きいダブル・バッフル式に変更されている。 |
●部隊配備 長砲身型のIV号戦車は、1942年6月28日のブラウ作戦開始時点では、第3、9、11、12、14、16、22、23、24機甲師団などに配備されていた。 この時、ドイツ軍が前線に展開させたIV号戦車は、短砲身型が209両に対して、長砲身型が128両であった。 まだ短砲身型が多いが、この数は急速に逆転していく。 また、北アフリカにも長砲身型は送られたが、アフリカ軍団では最強の兵器であり、連合軍からは「Mk.4スペシャル」として恐れられた。 |
<IV号戦車F2型> 全長: 6.62m 全幅: 2.84m 全高: 2.68m 全備重量: 23.0t 乗員: 5名 エンジン: マイバッハHL120TRM 4ストロークV型12気筒液冷ガソリン 最大出力: 300hp/3,000rpm 最大速度: 40km/h 航続距離: 200km 武装: 43口径7.5cm戦車砲KwK40×1 (87発) 7.92mm機関銃MG34×2 (3,150発) 装甲厚: 10〜50mm |