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VK1602レオパルトは、II号戦車に連なる偵察戦車として開発された最後のものである。 1941年、兵器局第6課は、強行偵察用の重装甲車両の開発を命じた。 車体はブルンスヴィックのMIAG社、砲塔と上部構造物はダイムラー・ベンツ社が担当した。 車体設計は、これまでの流れとは決別し、パンター中戦車のような傾斜した装甲板を組み合わせたものとなった。 各部の装甲厚は、車体前面50mm(60mmとも)、側、後面30mm、上面20mm、砲塔前面50mm(80mmとも)、側、後、上面30mmというものであった。 60口径5cm戦車砲KwK39/1と、7.92mm機関銃MG42が各1門ずつ装備された砲塔は、Sd.Kfz.234/2プーマ装甲偵察車のものと同型のもの(というより、レオパルト開発中止後にプーマに流用された)が使用されていた。 足周りは、同時期に開発が進められていたII号戦車L型ルクスと同様に、オーバーラップ式転輪配置が採られている。 出力550hpのマイバッハ社製HL157P V型12気筒液冷ガソリン・エンジンを装備し、重量21.9tとかなり重量級となった車体を、路上最大速度60km/hで走行させることが可能であった。 履帯も幅が35cmもあり、機動力に十分な配慮が払われていた。 レオパルトは、1942年5月末には実物大の木型モックアップが完成し、車体の設計作業は同年7月30日に完了した。 さらに、9月1日には車体各部パーツが用意され、10月1日に組み立てが行われたが、結局完成しなかった(設計終了は10月末とも)。 予定では、1943年4月から生産が開始され、1943年12月までに105両、1944年春には150両が完成するはずであった。 しかし、これらは全て計画で終わり、実現しなかった。 |
<VK1602レオパルト> 全長: 6.45m 車体長: 4.74m 全幅: 3.10m 全高: 2.60m 全備重量: 21.9t 乗員: 4名 エンジン: マイバッハHL157P 4ストロークV型12気筒液冷ガソリン 最大出力: 550hp 最大速度: 60km/h 航続距離: 武装: 60口径5cm戦車砲KwK39/1×1 (50発) 7.92mm機関銃MG42×1 (2,400発) 装甲厚: 20〜50mm |