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1940年5月に始まるフランス侵攻の勝利により、ドイツ軍は数多くのフランス戦車を入手し、自走砲などに改造したが、このFCM36軽戦車もその1つであった。 FCM36軽戦車は、コストの問題があり、100両が生産されただけだが、ドイツ軍はまず、1942年にフランスのアルフレッド・ベッカー社に対し、12両を10.5cm榴弾砲leFH16を搭載する自走榴弾砲への改造命令を出した。 自走砲への改造は、他の車両同様に砲塔を外し、この上に砲を載せ、周囲を20mm厚の装甲板で囲んで戦闘室とした簡単なものだが、例によって、中央部を外側に張り出すことで内部スペースの拡大を図っているのは、他の軽戦車ベースの自走砲に共通している。 続いて1943年には、7.5cm対戦車砲PaK40を搭載する対戦車自走砲48両が改造された。 こちらも改造要領は全く同じであり、主砲の違いで防盾に変化が見られるものの、基本的には同じものと考えて良い。 他のフランス戦車から改造された自走砲は多いが、このFCM36軽戦車ベースのものが合わせて60両と少ないのは、本車がディーゼル・エンジンを用いていたため、整備・補給の面でドイツ軍になじめなかったからであろう。 <参考文献> ・「世界の軍用車両(1) 装軌式自走砲:1917〜1945」 デルタ出版 ・「異形戦車ものしり大百科」 斎木伸生 著 光人社 |
<FCM 7.5cm対戦車自走砲> 全長: 4.46m 全幅: 2.14m 全高: 2.20m 全備重量: 12.8t 乗員: 4名 エンジン: ベルリエMDP 直列4気筒液冷ディーゼル 最大出力: 91hp 最大速度: 23km/h 航続距離: 230km 武装: 46口径7.5cm対戦車砲PaK40×1 7.92mm機関銃MG34×1 装甲厚: 20〜40mm |