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VK3001(H) 12.8cm対戦車自走砲

本車は、ティーガーI重戦車の開発途上から生まれた対戦車自走砲で、当時としては最強といえる12.8cm対戦車砲K40を備えていたのが最大の特徴である。
車体として用いられたVK3001(H)は、1938年9月に兵器局からヘンシェル社に要求が出された30t級戦車として開発が進められたもので、主砲には24口径の7.5cm戦車砲、もしくは28口径の10.5cm戦車砲を装備し、転輪はオーバーラップ配置を採用するなど、当時としては意欲的な設計であった。

当初、8両が発注されて製作に入ったが、フランス戦の戦訓などを考慮した結果、30t級では十分な装甲を施すことはできないという判断から、計画は36t級のVK3601に発展したため、VK3001計画はキャンセルされてしまい、1941年3月と10月に、それぞれ2両ずつの試作車が砲塔未装備の状態で完成したにとどまった。
1941年5月にヒトラーは、12.8cm対戦車砲を装備する対戦車自走砲の開発要求を出し、この自走砲の車体に、不要の存在となってしまったVK3001を転用することが決まったのは、同年8月のことであった。

主砲となった12.8cm対戦車砲K40は、ラインメタル社において高射砲FlaK40として1936年から開発されていたものを、1939年に対戦車砲への改造要求が出されたもので、原型が高射砲のため、61口径という長砲身であったが、これは、後に登場するヤークトティーガー駆逐戦車が採用した12.8cm対戦車砲PaK44の55口径を大きく上回っていた。
この巨大な砲を装備するため、車体は後部を延長して、転輪1組が追加された。

車体上部構造は全て撤去され、後部に大きな戦闘室が新設されたが、密閉式ではなくオープン・トップとされた。
この戦闘室の前方には四角い張り出しが設けられ、左側には操縦手が収まるが、右側は単なる雑具箱とされ、簡単に取り外すことが可能であった。
本車は、1942年初めに2両が改造され、1943年には東部戦線に投入されて、ソ連軍と砲火を交えたが、2両とも捕獲され、1両は現在も、クビンカの戦車博物館に現存している。


<VK3001(H) 12.8cm対戦車自走砲>

全長:    9.70m
全幅:    3.16m
全高:    2.70m
全備重量: 35.0t
乗員:    5名
エンジン:  直列6気筒液冷ガソリン
最大出力: 300hp
最大速度: 25km/h
航続距離:
武装:    61口径12.8cm対戦車砲K40×1
        7.92mm機関銃MG34×1
装甲厚:











































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